千葉 喬三
地域公共交通総合研究所設立にあたっての所感
今更言うことでもありませんが、我が国は法治国家です。全ての営為は法を裏付けとし実施されますし、しなければなりません。無論、交通体系・政策も然りです。
今日、全国各地で鉄道はじめバスや旅客船等、いわゆる公共交通手段が崩壊しつつあります。国もこれを座視していた訳でなく、平成19年に「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」を制定し、続いて平成23年には「地域公共交通確保維持改善事業」を創設し、何とか消えゆく地域の公共交通手段の維持・回復をはかろうとしてきました。
しかし、現実に地域で展開されつつある現象はどうでしょうか。維持回復どころか、日に日に深刻化しつつあるのが実情です。私の専門は交通ではありません。ですが、このような状況は、私の専門に近い農林分野において、数十年間に亘り見てきた光景と重なります。
日本の農林業(とりわけ農業)振興のため、としてこれまで幾つの政策とそれを担保するとして、どれだけの法律が出されてきたことか。しかし、最近のTPP騒動に見られるように、その間、日本の農業は裏腹に衰退の急坂を転げ落ちてきました。
法は必要条件です。しかし十分条件ではないのです。交通問題においても、中央から出される画一な法(仕方ないことですが)や方針等だけでは事態は好転しないと考えるべきです。国を始め官制の下でこれを実現するのは困難であることは農政を見れば明らかです。
如何に地域に合わせて運営(経営)化するかの知恵が要るのです。その知恵はどうすれば出るのか。その答えは、本研究所を設立された小嶋会長が日頃から唱えておられる「知行合一」にあると思います。便乗するようですが、「知行合一」は、私もよく使わせてもらってますので、何かのお役に立てればと念じております。
千葉喬三プロフィール
氏 名 千葉喬三(ちばきょうぞう)
役 職 元 国立大学法人岡山大学長
学 位 農学博士 (京都大学)
生年月日 昭和14年11月22日
本籍地 京都府
履 歴
昭和44年3月 京都大学大学院農学研究科博士課程単位修得退学
昭和44年4月 高知大学農学部助手
昭和46年4月 高知大学農学部講師
昭和49年4月 高知大学農学部助教授
昭和49年11月 岡山大学農学部助教授
昭和61年4月 岡山大学農学部教授
平成6年4月 岡山大学農学部長
平成12年4月 岡山大学大学院自然科学研究科教授
平成13年6月 岡山大学副学長
平成16年4月 国立大学法人岡山大学理事・副学長
平成17年6月 国立大学法人岡山大学長
平成23年3月 国立大学法人岡山大学学長任期満了退職
平成23年4月 国立大学法人岡山大学名誉教授
平成23年6月 学校法人就実学園理事長
平成23年7月 学校法人追手門学院理事
平成24年4月 就実大学特任教授
平成24年4月 ベトナム国立フエ大学名誉教授
平成28年3月 学校法人就実学園理事長 退任
受賞歴
平成14年6月5日 環境庁地域環境功労賞
平成20年5月17日 2007年度土木学会デザイン賞最優秀賞
平成21年7月29日 二十一世紀発明貢献賞(社団法人発明協会)
平成22年1月7日 山陽新聞賞(教育功労)
平成23年2月21日 平成22年度岡山県文化賞(教育)
平成24年5月14日 第26回福武哲彦教育賞
平成24年9月5日 第45回岡山県三木記念賞
社会活動
日本緑化工学会元会長
日本造園学会元理事・評議員
日本造園学会関西支部会元会長
国土交通省環境アドバイザーアドバイザー
中国地方ダム等管理フォローアップ委員会委員
苫田ダム管理フォローアップ委員会委員長
岡山県自然環境保全審議会会長
特別名勝岡山後楽園保存管理委員会委員長
名勝鷲羽山保存管理員会委員長
岡山県地方港湾審議会会長
岡山県森林審議会会長代行
岡山県環境審議会景観部会長
岡山県河川整備検討委員会委員
岡山県緑化推進協会運営協議会会長
岡山県野生生物調査検討会会長
おかやま森づくり県民基金事業実行委員会委員長
岡山県事業認定審議会委員
名勝頼久寺整備保存委員会委員長
名勝鷲羽山整備保存委員会委員長
岡山県三木記念賞運営委員会会長
岡山県文化賞選考委員会委員
(財)岡山県郷土文化財団顧問
(財)山陽放送文化財団理事
(財)福武教育文化振興財団理事
(財)両備檉薗記念文化財団審査委会員委員長
(財)岡山市公園協会理事
(財)おかやま環境ネットワーク理事
おかやまの自然を守る会理事
生活協同組合おかやまコープ理事会有識者理事
テレビせとうち放送番組審査会委員長
(財)ウエスコ学術振興財団理事
(独)国立少年自然の家施設業務運営委員会委員
(財)山陽放送学術文化財団理事
(財)岡山シンフォニーホール評議会会長
岡山県地球温暖化防止プロジェクト推進会議委員
岡山県税制懇話会委員
笠岡市教育審議会会長
日本造園修景協会岡山支部長
他