今村 朋範
バスや鉄道は、今も昔も子供たちの身近で憧れの乗り物だと思います。それは、鉄道やバスの玩具は、ロングセラーで売れ続けていることが証明しています。自分も子供の頃、その1人でした。
その憧れを抱き続け、大学で機械工学を学び、自動車業界に職を得ました。日々の業務の中で、自動車における代替エネルギーや地球温暖化対策として、燃料電池車や電気自動車などの環境車関連の技術開発や企画に関わり、自動車と環境の課題に取り組んできました。100年に一度の技術変革期にあると言われる現在、自動車のエネルギー源も石油中心から、天然ガスや再生可能エネルギーへとシフトすることで、車そのものが排出する二酸化炭素を低減することが求められています。それに加え、少ない環境負荷で多くの乗客を輸送ができるバスや鉄道の利用拡大は、二酸化炭素排出の低減に対し非常に重要な手段の一つで、地球温暖化防止に大きく貢献できます。
その一方、身近な交通機関である路線バスや鉄道が、特に地方において、維持が困難で、移動をマイカーに頼らざるを得ない現実があります。地方における公共交通利用の維持・拡大に当たっては、政策面で取り組むこともありますが、100年に一度と言われる情報技術の革新を取り込むことが必要と考えます。利用者の利便性や安心感を損なわずに、公共交通の自動運転化や、シェアリングの拡大等の新たなモビリティを、安価に導入することで、将来に渡って維持可能な、誰にとっても使いやすい、公共交通システムのあり方を考えたいと思います。
次世代の子供達からも、憧れられるバスや鉄道であり続けるために、サスティナブルで魅力のある将来の公共交通システムの実現に向けて、貢献したいと思います。よろしくお願いいたします。
1999年3月 東京大学大学院工学系研究科 機械工学専攻 修了
1999年4月 大手自動車部品 メーカー入社
下記業務に従事