「持続可能な交通まちづくりー欧州の実践に学ぶ
宇都宮浄人/柴山多佳児著」は日本の地域公共交通を考えるのには必読の一冊だ!
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(一財)地域公共交通総合研究所 理事長 小嶋 光信
日本の地域公共交通は高度成長時代の民設民営が当たり前の意識が官民ともに抜けきらず、何十年も赤字経営を補助金で支えて延命を図ってきたが、コロナ禍によりいよいよ事業継続が危ぶまれる事態に陥った。
既に日本の地域公共交通のビジネスモデルの多くは破綻している現状から、新しい公設民営や公設民託などのビジネスモデルに切り替えなければならない時点に来ていると言える。
本書は新しいビジネスモデルに切り替えるにあたって、日本の「移動をどうするか」、「サステナブルとは交通事業会社の継続」という議論を超え、「持続可能な望ましい社会」のQOL(クオリティー・オブ・ライフ)に向けていかなるモビリティーが重要かから説き起こしている。
両氏が日本に紹介し、(一財)地域公共交通総合研究所が発刊したSUMP(持続可能な都市モビリティ計画)に関心のある人はもちろん、次世代の夢のあるまちづくりを志す皆さんにとって、「持続可能な交通まちづくりー欧州の実践に学ぶ」は是非必読の一冊だ。