土井 勉

一般財団法人地域公共交通総合研究所の設立にあたっての所感

交通,特に公共交通は日々の生活に欠くことができない点では水や空気と同様です。その必要性は多くの方々が理解されているのですが,その現状を経営という視点から見ると大変に厳しい状況にあります。

しかし,公共交通は自動車以上に多くの人々に外出の機会を提供し,社会的活動や経済活動を支え,交流を促進することで孤独・孤立感からの脱却を促し,健康の増進にも多くの役割を果たしています。

公共交通の現場が負のスパイラルから脱却し,明るく希望が持てるように行政,事業者,市民がビジョンとドリームを持って活動を展開する必要があります。これはまさに,これからのまちづくりを構想することでもあります。

こうした活動を理論的・実践的に後押しする地域公共交通総研に期待される役割は大きいと思います。
私もその一助となることができればと考えています。

略歴等

1950年
京都市右京区生まれ
1976年
名古屋大学大学院工学研究科修了
同年
京都市採用
1984年
技術士(都市及び地方計画)
1991年
阪急電鉄株式会社
1997年
京都大学博士(工学)
2003年
土木学会特別上級技術者(調査計画分野)
2004年
神戸国際大学経済学部教授
2010年
京都大学大学院工学研究科・医学研究科安寧の都市ユニット副ユニット長・特定教授
2015年
大阪大学コミュニケーションデザイン・センター 特任教授
一般社団法人システム科学研究所上級研究員

交通政策や都市行政に関わる様々な行政等の委員の他,まちづくりの現場における活動,NPO法人・「持続可能なまちと交通をめざす再生塾」(略称.再生塾)の理事(二代目理事長)として交通政策に携わる人材育成にも取り組んでいる。