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緊急提言第4弾
地方生活交通維持には使いにくい地方創生臨時交付金!
「不可欠に業務を行う事業者」を救うには

―支援金、交付金の「活用できない費用」の適用除外業種の特例が必要―

(一財)地域公共交通総合研究所
代表理事 小嶋光信

公共交通は、政府の新型コロナウイルス感染予防対策に対する「基本的対処方針」で緊急事態宣言下でも国民の生活や経済の安定確保のために不可欠に業務を行う事業者として、休業要請の対象外になっていました。

それ以上に、公共交通に携わる者として地域の足を守るという使命感に燃えて必死に歴史上稀に見る大赤字でも運行を継続しています。特に地方生活交通については、事業者が元々8割以上赤字体質であるにも関わらず、運行継続努力をひたすら続け、乗務担当社員の皆さんも、場合によっては新型コロナウイルス感染の危険にさらされ、その家族は運輸業の仕事の家庭と白い目で見られるなどの社会情勢の中で任務を果たしてくれていることに、国民の一人としても感謝にたえません。

このように公共交通は国の要請と事業の特殊性で、休業して事業を守るという経営手法は取れない状況下、肝心の公共交通を支援してくれる国の助成金や支援金までが極めて少なすぎ、特に地方の交通事業者は経営維持に大きな問題をはらんでいます。

しかしながら、一縷の望みであるところの地方創生臨時交付金に至っては、活用できない経費として「損失補償」「人件費」「用地費」等が挙げられています。

「人件費」は新型コロナウイルス特例の雇用調整助成金をはじめとして思い切った助成が行われているので広く他産業は利用できるタイムリーな国の支援策と思いますが、「不可欠に業務を行う事業者」である公共交通には休業補償や雇用維持支援がほとんどなされない状況でした。

1.国は地方創生臨時交付金では公共交通事業は「活用できない経費」から損失補償や人件費について特例で除外すべき業種に指定すべきと提言します。

「損失補償をしない」という臨時交付金の条件は、休業も出来ず国民の生活や経済の確保という国の方針に従って運行した交通事業者には全く使えない、酷すぎる、厳しい条件です。一方で休業せず不可欠に業務を行うという「国の方針」に従って歴史上ありえないような損失が発生していながら「損失補償は無し」では、立つ瀬がありません。

今回の損失は経営努力で乗り切れる赤字ではなく、新型コロナウイルス感染による「自粛と緊急事態宣言下でも動かせ」という国の方針で生じたいわば「非常事態下の災害」でるため、業種的特例として条件から除外すべきです。

また休業が出来ず雇用維持を図る手立てもなく運行継続方針が示された以上、最初から収入が見込めずに赤字覚悟で運行した人件費は他産業なら当然休業補償や雇用維持助成金がもらえるはずで、それらと同様に、お客様が4~6割も減り減便ができたはずの人件費には「見做し休業補償」や「みなし雇用維持助成金」として国が地方創生臨時交付金で支援をしなければならないといえます。

休業するな、運行せよ、しかし補償はしないでは公共交通の維持は不可能であり、このような論理的に成り立たない方針にならないように公共交通には適用できるように「特例により除外」すべきであると提言します。

2.利用者の利益や利便は健全な事業者の存在維持が前提である。

「運送法」は「利用者の利益の保護及びその利便の増進」が目的で交通事業者の利益は保証したものではないという方もいらっしゃいますが、「健全な事業者」の維持が図られず、そもそも交通の供給がなくなってしまえば利用者の利益も利便も損なわれ「生活交通維持こそが利用者の利益」という時代の変化を理解すべきだと提言します。

少子高齢化社会での「利用者の利益」とは「交通路線網の維持」に変わったのです。新型コロナウイルス対策での地方創生臨時交付金の主たる目標は地方創生の基盤維持でもあり、それは公共交通維持が第一番目の生活インフラになったとご理解いただきたいと思います。

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