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「地域モビリティの再構築」連続シンポ最終回
地域モビリティの「再構築の総力戦は成るか」!

(一財)地域公共交通総合研究所
代表理事 小嶋光信

「危機に瀕する公共交通再生の道を示す!」意気込みで「地域モビリティの再構築」を家田先生中心に昨年8月に発刊しました。

コロナ禍で全く先行きが見えず、ほとんどすべての鉄軌道、バス、旅客船などの事業者が大赤字に喘いでいる中での発刊で、公共交通の先行きへの一縷のヒカリになったのではと思っています。

発刊の提唱者である家田先生は、公共交通を俯瞰的に捉えて現状を知り、将来の姿を導き出すということで、第一章は学術的に造詣が深い学の分野での最先端の専門家の先生方の解説やご意見を中心に、第二章は実際に現場で公共交通の再生や活性化をしている経営トップや地方行政のトップが赤裸々に語るという二章構成になっています。

私も家田さんとご一緒に監修させていただいて、立場や専門性が異なると同じ公共交通もこんなに見え方や温度差があるものかと痛感しました。

私は経営者ですから、マイカー時代と少子高齢化で赤字が常態化した業界を如何に健全な事業にするか、その国の法制度や、財源をどうするか、国民が乗って残す利用促進が行われ「誰でも、何処でも、何処へでも」行ける「エコ公共交通大国構想」を目指しています。

国の地域公共交通の制度等の改善で可能となる地域公共交通の経営の健全化の上に、DXもEV化もバリアフリーも花が咲くと思っています。

幸い当総研の公共交通経営実態アンケート調査の報告や皆さんの努力により、コロナ禍の経営に及ぼす緊急性を三度伝えたことで、国として「危機に瀕する地域公共交通」という状況を理解していただけたこと、地域を思う国会議員の有志による公共交通の議連の発足によって岸田政権に適格な提言が行われ、「骨太の方針2022」の国家の政策課題に「地域公共交通のネットワークの再構築」として「法整備」や「従来と異なる実効性ある支援」が打ち出されたことは現実の改善に向かう大きな一歩になったと思います。

先日、第4回目の同アンケート調査を実施して、約4割の企業が経営の危険水域に入ったのではと懸念しています。

そして2割の企業がコロナ禍で積みあがった赤字の返済が永久に出来ない、また4.5割の企業が10年以上返済は出来ないと回答しています。まさに危機です。

ここで国会議員の心ある議連の皆さんの努力で政府の政策課題になったこと、市民も国土交通省も危機に瀕する地域公共交通の認識をしっかり持ってくれたこと、当事者の交通事業者も必死になっていることで総力戦のコマはそろったと思います。

「地域モビリティの再構築」と4回のセミナーが少しでも皆さんのお役にたち、これで再構築の総力戦の下地ができ、コロナ禍を単なる負の遺産にせず、このインパクトを逆手にとって、21世紀に安心して住める地域の移動の維持・確保がされることを大いに期待しています。

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