公共交通経営実態調査を行っています

当研究所では、2020年以降のコロナ禍の公共交通への影響を調査しようと、全国的な「公共交通経営実態調査」をこれまでに3回実施しております。

調査実施対象は
・公益社団法人日本バス協会 会員名簿 令和元年9月~対象数:239社(前回240社-1)
・一般社団法人日本鉄道運転協会 鉄道事業者名簿 2020年9月~対象数:130社(前回110社±0)
・一般社団法人日本旅客船協会 会員名簿 令和元年7月~対象数:138社(前回138社±0)
※各県の事業者から規模等を参考に公営企業、三セク企業を原則除きサンプリングして対象を選定しています。

直近の2021年11月調査では、全国507社の公共交通事業者へ調査票をお送りし、102社からご回答頂きました。ご協力頂いた公共交通事業者様に深く御礼を申し上げます。
皆様のご協力のお陰で、新たに改組された自民党の公共交通議連(会長 宮沢洋一氏、会長代行 加藤勝信氏) が岸田総理に地域公共交通の窮状を提言し、当総研で提言していた地域公共交通の再構築として「法整備」と「実効性ある支援」が「骨太の方針2022」に政策課題として閣議決定されました。

現在、新型コロナウイルスの感染者数はピーク時に比べ落ち着き、外国人観光客の入国制限緩和や、観光需要促進のための県民割の拡大実施など、公共交通の利用増には明るい兆しも見られますが、一方でロシアのウクライナ侵略や原油価格の高騰、歴史的な円安状態など、経営を圧迫する要因は逆に増え ています。公共交通事業者の財務状況は、政府系⾦融機関の尽⼒で資⾦供給の努⼒はあるものの、公共交通事業者自らの資産売却や留保⾦の取崩しや 地道なコスト削減努⼒で必死に経営を続けておられる状態に変わりはありません。

新型コロナウイルス感染拡大による公共交通の利用減は、10年後の少子高齢化による旅客減が前倒しで一挙に到来した状況と考えますが、10年後を見据えた経営を行うためにも、現在の厳しい経営状態を乗り切るためにも、現時点の公共交通経営の実態を把握し、現在の危機の深刻度や必要な対策を関係者と共有すべく、第4回目の「公共交通経営実態調査」を開始いたしました。

これらの調査結果は行政の政策立案にも多分に反映されているほか、今回は同業他社の取組み好事例を共有頂ける性質も持たせた調査ですので、趣旨をご理解頂き、調査のご協力をお願いいたします。

また、この調査に関しまして、ご意見やご質問などある方は info@chikoken.org までご連絡ください。

なお、過去の調査の集計データは下記にございます。ダウンロードしてご覧ください。
■ 第1回調査(2020年10月調査)
■ 第2回調査(2021年4月調査)
■ 第3回調査(2021年11月調査)

また、この結果を受けての当研究所会長からのコメントも下記にございますので合わせてご覧ください。
■ 第1回 公共交通経営実態調査
■ 第2回 公共交通経営実態調査
■ 第3回 公共交通経営実態調査