床尾 あかね
■所見
岡山大学への赴任をきっかけに、本研究所に参加させていただくことになりました。
これまでは、トヨタ自動車系シンクタンクで15年、東京海上G系シンクタンクで15年と、複数の角度から自動車交通にかかわってきました。この度、岡山という“私の新しい地元”で、運送事業の現場に近い立ち位置での現状の課題解決はもちろんのこと、これまでの経験も活かしながら、長期スパンやグローバルといった少し広い視座で、地域公共交通のあり方の議論や研究に参加できればと思っています。
東京に30年暮らしてはいたものの、日本全国各地に出張し、多くの運送事業者を支援する仕事もしていたので、地域交通の現状は知っているつもりでいました。しかし、実際に岡山に住み、地域を訪ねてみると、人口減少も高齢化もさらには運転手不足も、その深刻さと状況悪化のスピードは想像を超えていると実感しました。また一方で、多くの自治体や住民が主体的に「地域交通」のために議論と検討を重ね、汗をかいていることも改めて知りました。
人間の尊厳の一つである「移動の自由」を守るために、「地域交通」を守るために、危機感をもって今すぐ挑戦し、新しい技術も味方につけて変化を恐れずに行動することが必要です。地域がその一歩を踏み出し、困難な取り組みを継続するために、背中を押したり、応援したり、暗く見える先の道を薄くでも照らしたり、そんな力になれる研究ができればと思っています。
■研究領域
交通事故要因分析、交通安全教育、都市交通政策、自動車保有・需要分析
■経歴
2023年10月 – 現在 岡山大学 准教授(特任)
東京海上ディーアール株式会社 主席研究員
株式会社現代文化研究所 主任研究員
■講演・口頭発表等
運輸事業者を元気にする健康経営 中部運輸局自動車事故防止セミナー 2019年1月24日
欧州における自転車利用促進政策と走行環境の整備~ロンドンとパリの事例について~ 日本交通心理学会大会 2012年
地域における交通安全活動でのヒヤリハットマップの活用効果 日本交通心理士大会 2011年
QOLによる地下空間の評価法の研究-日頃の「地下鉄利用頻度」が評価に与える影響の考察-(共同発表)土木学会地下空間シンポジウム 2010年
ドイツマルル市に見る「市民が主役の交通まちづくり」コミュニティー政策学会自由論題部会 2008年